アメリカ市販品調査レポート 2021春
WFMの食品トレンド予測を
基にした
米国市販品
独自調査レポート
2020年10月に、アメリカの自然派食品スーパー大手「Whole Foods Market(ホールフーズマーケット)」が2021年の食品トレンド予測を発表しました。これまで2回にわたって実際にWhole Foods Marketで販売されている各トレンドの市販品を紹介しましたが、今回が最終回となります。
(調査日:2021年2月)
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第二回はこちら
目次
ヘルシーなオイルと言えば、オリーブオイルが定番ですが、自宅で料理をする人は、ウォールナッツ(くるみ)オイルや、サンフラワーシード(ひまわりの種)オイルなど、風味や特徴が異なるオイルを使い始めています。
Whole Foods Marketのプライベートブランドである「365 by Whole Foods Market」シリーズからも多種多様なオイルが販売されており、店頭にはウォールナッツオイル、アーモンドオイル、ピーナッツオイル、グレープシードオイル、サンフラワーシードオイルなどが並んでいます。
また、88 Acres社は、オーガニックのサンフラワーシードオイルを使用したドレッシングを扱っています。同ドレッシングシリーズは、オイルに加えて、スイカやカボチャの種なども使われおり、非遺伝子組み替えかつビーガン対応の商品となっています。88 Acres社は、シード(植物の種子)を原材料に使った商品を専門とし、ドレッシングの他にもシードバターやグラノーラなどを展開しています。
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2018年のトレンド予測に「ハードセルツァー(アルコール入り炭酸水)」が含まれていましたが、最近は「ハードコンブチャ(アルコール入りコンブチャ)」の新商品が登場しています。ハードコンブチャは、従来のコンブチャと同様に、紅茶や緑茶、砂糖そしてスコービー(SCOBY)と呼ばれる株菌を使って発酵がなされ、口の中でシュワっと泡立ちが良いドリンクです。
アメリカのクラフトビールで有名なSierra Nevada Brewing社は、2020年3月にStrainge Beast Hard Kombuchaの販売を開始しました。フレーバーは(1)ジンジャー・レモン・ハイビスカス、(2)ブルーベリー・アサイー・スイートバジル、(3)パッションフルーツ・ホップ・ブラッドオレンジの3種類となっており、1缶あたり180〜190キロカロリー、アルコール度数は7%となっています。同商品は、グルテンフリーかつオーガニック商品です。
今後、ひよこ豆はパスタや豆腐、粉、シリアルにも使われるようになるでしょう。ひよこ豆は食物繊維と植物性たんぱく質を豊富に含み、カリフラワーに続くトレンド食材となりそうです。
Biena社はChickpea Puffs(ひよこ豆のパフ菓子)を展開しています。同社の商品であるSea Salt Keto Puffsの場合、パフに使われている原材料は、ひよこ豆の粉、タンパク質、外皮繊維、レンズ豆の粉、塩であり、1食分(14g)あたり5gのタンパク質、5gの糖質を含んでいます。一方でBiena社によると、従来品のナチュラルなパフ菓子は2gのタンパク質、16gの糖質を含むということです。同社は、美味しさだけでなく、植物性の原材料を使うことで栄養素も詰まった商品開発をミッションとしています。
また、ひよこ豆パスタを展開するBanza社は、2020年10月から、ひよこ豆を使った冷凍ピザの販売を開始しました。ピザ生地に小麦粉ではなく、ひよこ豆が使用されており、グルテンフリーかつ、主要アレルゲンを含みません。生地の原材料には、ひよこ豆の他、タピオカ、ココアバターなどが使われています。商品展開は、ピザ生地のみの商品と、トッピング済みのものが3種類(マルゲリータ、ローステッドベジタブル、4種のチーズ)となっています。
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ジャーキーは、もはや肉好きの人のものではありません。キノコからジャックフルーツまであらゆる食材がジャーキースタイルで提供されるようになりました。
Solely社は、子供たちに、砂糖がたくさん使われた加工度の高いスナックの代わりに、砂糖や保存料を使用していないかつ新鮮な果物の栄養価を維持したスナックを食べて欲しいというコンセプトのもと、Organic Fruit Jerkyという商品を展開しています。ジャーキーの種類は、マンゴー、バナナ、パイナップルの3種類で、それぞれ原材料はその果物のみとなっており、果物の鮮度を保つためにコールドプレス製法で作られています。マンゴーとバナナのジャーキーには、パッケージ1個あたり、まるまる1個分の果物が使われていて、パイナップルジャーキーには1/2個分のパイナップルが使用されています。また、果物だけが使われたプレーンタイプに加え、パイナップルとココナッツや、マンゴーと唐辛子、バナナとカカオなど、味にアクセントを付けた商品展開もなされています。パッケージは真空パックで、とても薄くて軽いため、持ち運び用のスナックとしても大変便利です。
アメリカの消費者のあいだで健康志向が広まるにつれ、従来商品とは異なる新しい材料を使い、かつ美味しさを兼ね揃えた新商品が増えてきています。筆者も実際にBanza社のひよこ豆ピザを試してみましたが、生地は黄色味が強いものの、言われなければひよこ豆が原材料であることに気づかないであろうし、従来の冷凍ピザと同様に美味しく食べることができると感じました。
Whole Foods Marketによる2021年の食品トレンドには、新型コロナウィルスの影響が色濃く反映されていましたが、2022年にはどのような新しいトレンドが生まれているのでしょうか。
【参考資料】
Whole Foods Market Forecasts Top 10 Food Trends for 2021(2020.10.19リリース)
https://media.wholefoodsmarket.com/whole-foods-market-forecasts-top-10-food-trends-for-2021
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