美容や美肌でおなじみのコラーゲンペプチドですが、近年ではその膝や関節への役割に注目が集まっています。そこから派生して、アスリートの間でもコラーゲンペプチドの利用が広まってきています。今回はその実態についてご紹介します。
コラーゲンは3重らせん構造をとるたんぱく質の一種で、人体のたんぱく質の約1/3を占めています。体内では繊維状たんぱく質として存在し、様々な身体構造を構成しています。部位別のたんぱく質の構成比を細かく見てみると、腱の85%、靭帯の70%、関節軟骨の70%と、肌以外の部位でもコラーゲンの構成比は大きく、体全体の構造に不可欠な成分です。コラーゲンの分子量は約30万と大きく、そのうえ三重らせん構造をとっていることから、そのままでは容易に消化・吸収できません。そのため一般的にはコラーゲンを加水分解して分子量を小さくした”コラーゲンペプチド”として流通されています。
コラーゲンペプチドのスポーツニュートリション向けの研究も様々されており、その機能が明らかになっています。Simonらは、健康な男性 (18-40歳) に、週3-4回のレジスタントトレーニングと併用してコラーゲンペプチド5g/日を14週間摂取させることで、プラセボ群に比べてアキレス腱の断面積が有意に大きくなったことを報告しています1) 。
Zdzieblik らはスポーツをしている男女 (18-30歳) にコラーゲペプチド5g/日を12週間摂させることで、スポーツ活動中の痛みが軽減されることを報告しています2)。
こうした、研究の進展とアスリートの身体のメンテナンスに対する意識の高まりもあるのか、アスリートの間の使用者も増加しており、使用例がマスメディアでも取り上げられるなど浸透しております。プロ野球選手である日本ハムファイターズの今川優馬外野手はリハビリテーションのお供にコラーゲンを摂取していたことが報じられました3)。フィギュアスケートの羽生結弦さんは現役時代、4回転半ジャンプを目指す体づくりの一環としてコラーゲン鍋を食べていることが報じられました4)。元騎手であった、福永祐一さんは落馬による骨折からのリハビリテーションにおいて、コラーゲンが豊富に含まれている鶏がらスープを積極的に摂っていることが報じられました5)。さらに、大リーグで活躍するダルビッシュ有選手がアドバイザーを務めるサプリメントブランドではスポーツ用途としてコラーゲンが販売されております 6)。このように様々な種目のトップアスリートが体づくりにおいてコラーゲン・コラーゲンペプチドに注目しています。
競技においてアスリートに求められプレーの要求水準は年々高まっています。その中で、コラーゲンペプチドを活用した、身体のケアの重要性は増しており、使用者がより一層増加すると考えられます。
参考文献
1) J. Simon et al., Scand J Med Sci Sports., 32, 1137 (2022)
2) D. Zdzieblik et al., Appl Physiol Nutr Metab., 42, 591 (2017)
3) 日刊スポーツ (https://www.nikkansports.com/ ) 日本ハム今川11月下旬に左手を手術も練習再開、朝晩コラーゲンで完全復活 (2021年12月14日4時45分配信)
4) スポーツ報知 (https://hochi.news/) 羽生結弦の挑戦支える“4Aごはん”を初公開 コラーゲンたっぷりスペシャルちゃんこ (2022年1月19日 5時0分配信)
5) 日刊スポーツ (https://p.nikkansports.com/goku-uma/) 福永祐一2・5レース復帰 香港スプリント落馬骨折から46日で調教を再開 (2022年01月28日 10時26分配信)
6) Yutrition for Supplement コラーゲンSP(ピーチ風味)
https://yutrition.net/SHOP/Collagen_00019.html
営業本部営業戦略G所属 2018年入社。
ゼラチンの基礎研究業務や機能性原料の営業業務への従事歴を持ち、現在はそれらで培った情報分析能力を生かし、機能性原料販売の企画・立案業務に取り組む。
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