ドレッシングはサラダに限らず、パスタやつけダレなど、様々な料理にアレンジできる定番の調味料です。醤油やゴマ、レモンなど、味が豊富なだけでなく、バジルや胡椒、すりおろしオニオンなどの具材が入ったものも多く見られ、かける調味料としてだけでなく食べる調味料としての楽しみも増えてきました。しかし、具材が入ることでドレッシングの中で具材が沈殿し、商品の見栄えが悪くなってしまうことや、生産時の充填において具材が不均等に充填されてしまうことがあります。
そこで今回は「ドレッシング」について、商品の見栄えがよく、固形物を均一に充填できるような弊社の「分散安定剤」をご紹介します。
シーン①:最終商品の見栄えの悪さ
ドレッシングを長時間陳列していると固形物が沈殿し、商品の見た目が悪くなってしまいます。また、使用のたびにドレッシングを振って均一に混ぜないといけなくなるので、喫食前の手間も増えます。
シーン②:充填時に固形物が不均等に充填される
商品生産時にドレッシングを容器に充填する際、タンクの中で固形物が沈殿するので、初めの方に充填したドレッシングには固形物が多めになり、最後の方に充填したものには固形物が少なくなることがあります。そのため、同一ロットでも固形物の量にばらつきが見られます。
以上より、ドレッシングの固形物の分散安定性を付与することで、固形物の沈殿や不均等充填を解決することができます。しかし、ドレッシング自体が酸性で塩分濃度が高く、また、殺菌工程を経ることで充填液が高温状態となっているため、酸や塩分に耐性があり、高温帯で分散安定を発揮する分散安定剤が求められます。
これらの課題を解決するため、一般的にキサンタンガムのような増粘安定剤が利用されています。しかし、キサンタンガムを使用することで新たな問題も発生します。
・ドレッシングをかけた後の粘度が強くさらさら感が少ない
・キサンタンガム特有のねとつく食感が気になる
・味がこもりやすく濃いめの味付けになる
キサンタンガムの使用により固形物の分散安定性は解決できますが、ドレッシングの食感や風味に悪影響が出てしまい、おいしさを引き出せなくなります。分散安定性と食感の両立は難しいテーマとなっているようです。
増粘安定剤を長年取り扱っている弊社は、このテーマを解決すべく様々な多糖類の組み合わせを検証しました。その結果、誕生した分散安定剤が「UNet XD-21」です。「酸、塩分、高温条件における分散安定性」が特徴となります。
分散安定効果
UNet XD-21を添加したドレッシングは酸や塩分が強い条件でも固形物の分散安定性が見られ、高温充填しても粘度が低減しにくいため、均一な充填を可能にします。
ねとつきの軽減
キサンタンガム単体と比べてねとつきが少なく風味がこもりにくいため、さらさらした食感となり風味や香りを引き出すことができます。
ここで、胡椒入りドレッシングを試作したときの配合と効果がこちらとなります。
【配合】
pH3.3、塩分濃度10%、Bx23
原料 | 配合(%) |
---|---|
グラニュー糖 | 10.0 |
食塩 | 10.0 |
UNet XD-21 | 0.6 |
胡椒 | 0.1 |
クエン酸 | 調整 |
加水 | 調整 |
【効果】
90℃充填し、一晩室温で静置後の様子がこちらです
充填タンク内での分散イメージ
本品を使用することで、酸味や塩味が強く、加熱殺菌工程を必要とするドレッシングの分散安定性を維持することができます。同時に喫食時のねとつきを抑え、風味と香りを損なわない商品設計を可能にします。
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