【食品開発のネタ帳】
ベーカリー製品に求められる健康とは
健康食品とはイメージが遠いベーカリー製品ですが、海外では精製小麦粉の代わりに野菜や果物の粉を使用したり、食物繊維を添加するなどした健康訴求商品が見られます。
今回は、アンケート調査からみた消費者が食品を購入する際に意識するポイントと、海外の健康に訴求したベーカリー製品についてご紹介します。
健康でありたいと考える人は、普段の食事ではどのような点に気をつけているのでしょうか。栄養価の高い食事を摂る、食べる順番に気を付ける、不足しがちな栄養素を補う、など様々あるかと思いますが、どのような栄養素が求められているのでしょうか、また、サプリメントではなく食品に求めるポイントとは何でしょうか。今回、20-40代の首都圏に住む有職者女性600名にアンケートを実施し、普段の食意識について調査しました。
その結果、多くの人が不足しがちな栄養はサプリメントだけでなく、普段の食事を通して自然な形で栄養を摂取したいと回答しました。
アジア太平洋地域で発売されたパン原材料において、“保存料・添加物不使用”訴求の商品は5年前から7%、“天然物由来”訴求の商品は3%上昇しました。また、アメリカの大手スーパーWhole Foods Marketが毎年発表するトレンドでは、2020年にカリフラワーパウダーやバナナパウダーなどユニークな野菜や果物のパウダーが一般市場でも出回ると予想されました。精製された小麦粉以外に使用されている原料としては、ヨーロッパではライ麦粉が、アメリカでは大麦粉が、アジア太平洋地域では大豆粉が人気でしたが、近年はレンズ豆粉やアマニ粉などの使用が増えています。その他にもソルガムやテフ、キヌア、アマランサス、ソバなどのスーパーフードを使用した製品や米粉、玄米やトウモロコシ、サツマイモなどグルテンフリー素材を使用した製品が見られました。
身体機能への様々な効果を期待して、サプリメントや整腸剤などの薬剤ではなく、健康に良いとされる機能性食品を摂取することは世界的に常識となっています。機能性食品の中でも、腸内環境改善機能をもった製品の人気が高く、腸活に訴求した商品は世界共通で多く見られますが、腸活訴求をメインとするようなベーカリー製品は、あまり見られませんでした。ベーカリー製品の機能性でこれまで多かったのは、疲労回復効果のある鉄分やエネルギー生成を助けるビタミンB1を配合した、エネルギーに関するもの、オメガ3を配合した心臓機能を改善するものなどでした。
しかし、今年に入ってからは、コロナウイルスの影響から、免疫に対する消費者の関心が高まったことにより、腸機能に寄与する天然のプレバイオティクス繊維としてチコリ根由来イヌリンを配合したパンや、生きた発酵菌を含んだパンなどが発売されるなど、腸内環境改善機能をもった製品が多く見られるようになりました。特に、外国では腸内環境に訴求した製品には共生細菌(プロバイオティクス)を配合することが多いのに対し、アジア太平洋では腸内細菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維を配合することが多く、プレバイオティクス素材に関心が高いことが分かります。ベーカリー製品には食物繊維をはじめ、レジスタントスターチなど腸内環境の改善効果が期待できる素材の相性が良いようです。
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